クイックスタート¶
この章では、 Sora Android SDK を使った、 シンプルなクイックスタートアプリケーションを実行するまでの流れを紹介します。
メディアデータ (映像と音声) の送信と受信
送受信する映像の描画
端末のカメラとマイクの使用
ソースコードは次のリポジトリで配布しています。
用意するもの¶
WebRTC SFU Sora バージョン 2025.1.0 以降
Android 5 以降 (シミュレーターは不可)
Android Studio バージョン 2025.2.1 以降
Sora については、ここでは次の条件での運用を仮定します。 詳しくは Sora のドキュメントを参照してください。
Sora のホスト名: "sora.example.com"
開発者ツール: 有効
WebSocket の接続に WebSocket over TLS を使用
チャネル ID: sora
以下、アプリケーションのダウンロード、依存ライブラリのダウンロードと配置、 アプリケーションの設定と起動の順に説明します。
Android Studio のセットアップ¶
Android Studio をダウンロードし、 インストール方法 に従いセットアップしてください。
クイックスタートアプリケーションのダウンロード¶
クイックスタートアプリケーションのソースコードは sora-android-sdk-quickstart リポジトリで配布しています。
$ git clone https://github.com/shiguredo/sora-android-sdk-quickstart.git
$ cd sora-android-sdk-quickstart
$ git checkout <branch>
注釈
最新版(2025.3.0)を利用する場合は master ブランチをチェックアウトしてください。
SDK への依存設定¶
本アプリケーションは Sora Android SDK への依存を持ちます。 以下、設定方法を記します。GitHub からクローンしたコードベースには これらの設定は入っているため、あらためての設定は不要です。
JitPack リポジトリの追加¶
Sora Android SDK は JitPack から取得できます。
そのため、 settings.gradle.kts の dependencyResolutionManagement で JitPack のリポジトリを追加します。
dependencyResolutionManagement {
repositoriesMode.set(RepositoriesMode.FAIL_ON_PROJECT_REPOS)
repositories {
google()
mavenCentral()
// 以下の行を追加します
maven("https://jitpack.io")
}
}
Sora Android SDK のバージョン設定¶
バージョンカタログに使用する SDK のバージョンを定義します。
<version> には使用する SDK のバージョンを指定してください。最新版は 2025.3.0 です。
# gradle/libs.versions.toml
[versions]
sora-android-sdk = "<version>"
[libraries]
sora-android-sdk = { module = "com.github.shiguredo:sora-android-sdk", version.ref = "sora-android-sdk" }
この定義は次の implementation 依存の追加で参照します。
Sora Android SDK への依存を追加する¶
次に Sora Android SDK への依存を追加します。
SDK を利用するモジュールのビルド設定ファイル(ここでは quickstart/build.gradle.kts )に
以下の設定を追加します。バージョンカタログは libs エイリアス経由で参照できます (sora-android-sdk は libs.sora.android.sdk としてアクセスできます)。
dependencies {
// 以下の行を追加する
implementation(libs.sora.android.sdk)
}
以上で SDK を利用するための依存設定は完了です。
アプリケーションの設定¶
クイックスタートアプリケーションの実行には Sora の URL を設定する必要があります。
Sora の URL を gradle.properties に設定します。
gradle.properties.example を元に gradle.properties を作成します。
$ cp gradle.properties.example gradle.properties
このファイルでは、接続する Sora のシグナリングエンドポイント URL signaling_endpoint
を指定します。環境に応じて設定してください。
好みでチャネル ID channel_id の指定も可能です(そのままでも結構です)。
gradle.properties:
# Setting Sora's signaling endpoint and channel_id
signaling_endpoint = wss://sora.example.com/signaling
channel_id = sora
以上でアプリケーションの設定は完了です。 クローンしたディレクトリを Android Studio で開き、アプリケーションの起動を行ってください。
アプリケーションの起動¶
Android 端末をマシンに接続します。Sora Android SDK はシミュレーターに対応していません。実機を利用してください。 そして、接続した Android 端末を選択してビルド・実行します (メニュー "Run" > "Run (quickstart)")。
起動したアプリケーションの画面で、 START ボタンをタップすると映像、音声の送受信処理が開始されます。
カメラとマイクの権限許可を取得する¶
Sora Android SDK で映像の送受信を行うにはカメラ(android.permission.CAMERA) と音声(android.permission.RECORD_AUDIO)の権限許可が必要です。
クイックスタートアプリケーションでは上記の権限を取得するために、接続開始時に
Manifest.permission.CAMERA と Manifest.permission.RECORD_AUDIO の権限をリクエストします。
Sora に接続する¶
起動したアプリケーションの画面で、 START ボタンをタップすると Sora に接続します。 このとき、「写真と動画の撮影」と「音声の録音」の許可を求めるダイアログが表示されるので許可してください。
接続に成功するとカメラ(利用可能な場合は前面カメラを優先して使用)の映像が表示されます。
接続できなかった場合は Sora のエンドポイント URL やネットワークの状態を確認してください。
このアプリケーションでは、次のパラメータで Sora に接続しています。
Sora への接続
映像コーデック: VP9
音声コーデック: OPUS
双方向でビデオチャットするには、例えば、PC ブラウザから Sora DevTools でマルチストリーム接続 を行うと、クイックスタートアプリケーションに相手側の映像が表示されます。 もちろん、Android 端末をもうひとつ用意して本アプリケーションをインストール、起動しても よいですし、iOS アプリケーションとのビデオチャットも可能です。
参考¶
PC ブラウザからのアクセス: Sora 開発者ツール
Sora iOS SDK: Sora iOS SDK のドキュメント